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little escape

ティーザー広告みたいな

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マニュアルカメラの理想形を考えるときに浮かんでくる姿はこれです。覆面広告風に。「tease」とは英語で「じらす」ことです。




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ニコンのFM3Aは僕自身が本格的にカメラ・写真へと、のめり込んでいくキッカケとなったカメラ。今でも大切にしています。
ペンタプリズムを覆う尖った中央部分。一つ一つを手で回して設定するダイヤル類と、それらを支える平たい軍艦部分。

必然性から生まれ、最小限の機能を備えた形態は、機能美の極致です。これはニコンが出した最後のマニュアル機。
(現行のFM-10は他社から供給されるOEM機と聞いています。プラスチックを多用した、例外的な廉価機です)


前回、前々回と、オリンパスの新モデルを紹介しました。外見的にはほぼ似ていて、マニュアルカメラ世代に訴えるデザインです。
ペンタ部はもっと尖っていて欲しかったとか、そもそも不要なペンタ部が大きすぎて不自然とか、色々と言われているようです。

単純に懐かしくて馴染みのある形に喜ぶのか、それとも安易に昔戻りをして顧客を掴む商売を嘆くのか、議論は分かれます。
実際に手に持ってみた感触は、機械として非常によく作りこまれ、モノとしての魅力と存在感がありました。使ってみたい!と。

おそらく大ヒットするんでしょうけど、そうなると一つ心配があります。メーカーが外見的な魅力の追求ばかりに走る予感です。
よく売れた製品を他社が真似て後追いをするのは商売の常道ですが、行き過ぎるといずれチープな戦いとなっていきます。

大事なのは中身。そこに込められた精神です。OM-Dを発表したオリンパス自身が、今後どのような方向へ向かうのか?
・・・興味深くもあり、非常に不安でもあります。ファンの多くに共通した心理ではないかと思います。
by sukakichi2 | 2012-02-14 01:14 | 東京日乗